すずめの戸締まり(ネタバレあり)
12/3土曜日の昼過ぎに三宮で「すずめの戸締まり」を見てきた。
結論としてとても良かった。
だが、テーマが震災なだけに賛否は分かれるのかなと感じた。
ただそんなことは作り手が1番理解していると思うし、それでも悲しみに浸かっている人の背中を押してあげたいといういじらしさや優しさを感じて私はとてもよかったと思う。
以下は私の偏見と妄想とネタバレがぐいぐい入ってくるのでご了承願いたい。
映画の中で出てくるすずめは被災した方々を初め、映画を見ている私たちでありそれと一緒に旅をする足の欠けた椅子(ムナカタ)は彼女、ひいては私たちが今まで誰かから何かから受けてきた愛の象徴であって、それに気づくまでの彼女の物語であると感じた。
また作中出てくる猫の姿をした要石のダイジンという名前から「天気の子」から続く新海さんから左のイデオロギーをビシビシと感じた。
2つめの扉以降、ダイジンがその土地に関わっているこの世の裏側の巨大な掘り起こしていき、閉じ師のムナカタとすずめがそれを戸締まりさせて問題を収束させていくのは天気の子と同様に大人(ダイジン)が引き起こした問題を若い人が必死になって問題解決に汗水流すもしくは犠牲を払うという構造であり、見ていてやはり悲しくなった。
昔はそれこそは要石のような役割であったのではないかと。
でも結局最後の決戦的なシーンではダイジンのクソネコも協力して動いてたので偉い大人も責任取って若い人らに協力せえよということなんかなと思いながら見ていた。
絵は毎度の如く美しく、吸い込まれるカットの連続でこれは本当にいつ見てもすばらしい。また、映画冒頭のタイトルバックは皆息を呑むほど魅せられたと思うし一瞬で私たちの心を掴んだと思う。正直アレと絵を見るだけでも1,900円出す価値は十二分にある。
ただ最初に言ったとおり震災がテーマで、後から考えたらそりゃ都合が良くないかと思うシーンは正直あったし被災した方達からしたら「そんなすんなりいかねえよ」と不快に感じる演出もあったのかもしれない。それでも私は新海さんのやさしくてつよいメッセージが好きで多少のパワープレイは些末なものだと感じました。
私は素直に感謝したいです。