わたしの生活独語記

日常で感じたことをつらつらと書いています

TAR/ター


TARを見てきた、レイトショーで。

 

ケイトブランシェット魂の演技だった。すごいに尽きる。

あまりにも凄いからターが実際に名前も同じモデルになる人がいるんだと勝手に思い込んでいた。

 

 

序盤にエンドクレジットが流れ始めて、なんぞやと思っていたがその後のシーンも映画の後半に関わる内容で構造的に前後がひっくり返っていた。二回見ていろいろすんなり入ってくる映画なのかなと思う。見ていて思ったのですが砂の器を思い出しました。ターという人を見ている私たちが探っていくような映画。そう私たちは丹波哲郎だ!

 

Story的には、世界的な女性指揮者のターが天才であるが故なのか恣意的なことばかりしていてある日、元恋人の指揮者を自分が原因で自殺に追い込んでしまったことを知る。そして彼女は告発されてしまって...。みたいな話でした。

 

ターの映画内での言動で指揮者や哲学者を批評したり学生を指導するシーンでそこでのセリフの内容がすべてブーメラン的に自分に降りかかってくるというなんとも因果応報ムービー。

付き合ってた指揮者(女)を自殺に追い込んだ罪悪感からかどんどん自分を追い込んだり、どこかで女性の悲鳴が聞こえたり、夜中にどこからか聞こえる音が気になって眠れなくなったりとどんどんどんどん彼女が壊れていきます。

 

映画後半で、住んでいるマンションのお隣さんが引っ越すとなってターに挨拶に来るシーン。お隣さんがターにピアノをいつ弾いてるのかと尋ねます。なぜそんなこと聞くのかとターが言うと、部屋を売るときに騒音で高く売れないからと言われて彼女は高らかに笑います。自分のしている崇高な音楽、その作曲が騒音だと言われて彼女はぶっ壊れます。アコーディオンを弾きながら「安売りセール♪」みたいな訳の分からない歌詞を叫ぶケイトのぶっ壊れ具合があまりにもおもしろくて吹き出しましたw

 

 

そして終盤、告発されて持っていた全ての仕事がキャンセルになり彼女はふるさとに帰ります。彼女は実家にあった昔録画していたバーンスタインのコンサートを見て初心にに立ち返りその後東南アジアのどこかで小さなオケを持ちます。そのオケがする楽曲はモンスターハンター。自分というモンスターを狩りたかったのか何なのか。よく分からん。

 

まあでも良い作品なのは間違い無いです。160分があっというまでした。